「三代目の言うとおりだ」

そこに、仲本組を嗅ぎ回って
いた舎弟のシバが戻ってくる。

「親父、やはり、仲本組の裏
 には、伊納組組長
 伊納 透馬(いのうとうま)
 だけでなく、会澤組の若頭
 細矢 新(ほそや あらた)
 も手を組んでいました
    
 仲本組と伊納組は、うちの
 シマが目的のようですが
 会澤組は何を考えているのか
 さっぱり掴めません」

幹部達の目が、ギラギラと闘志
に燃え庵の言葉を待っている。

「三代目・・・」

「分かった、お前は引き続き
 そのホソヤという
 若頭の事を探ってくれ
 
 会澤組は、いったい何を
 考えている

 兄弟の盃を交わしたいと
 言い出したかと思えば
 裏で、この抗争を
 操っている」