あの後、彼、幹生(ミキオ)
さんは、私に、こう言った。

「イオリの彼女だったとは・・
 アイツが女の事であんなに
 真剣になるところ
 初めて見たよ
 
 いつも、連れてる女は違うし
 そこに、愛なんて微塵も
 感じなかった
 
 ただ、言い寄って来る女を
 拒まずに食うって感じで・・

 あっごめん
 ・・・・・・
 
 君を見つめるアイツの瞳
 すごく真剣で

 君の事、大切なんだろうな
 って思ったよ」

タクシーに乗車する私を
見送る三人。

「スミレちゃん、またね」

私は、更紗の彼氏に頭を下げた

「イオリに伝えてくれよ
 昔の番号と、変わって
 ないから

 俺のところにも、必ず
 電話くれって
 また、イオリも交えて飲もう
 
 じゃあ」

笑う幹生の隣で、更紗は
不安げに私を見つめた。