彼は、私と約束をしたとおり
知っている事の全てを答え
聞かせてくれた。

庵先輩の父親は、一人の女性を
愛して組を棄てた。
  
「その女の親が、何代も続く
 和菓子の老舗の一本筋の
 通った堅物親父で
 極道なんかには絶対に、娘は
 やらないと言いやがった・・
 
 元々、イオリの母親のサオリ
 は俺の恋人だった
 俺はサオリを棄てて極道の道
 を選んだ
 
 それなのに兄貴は、サオリを
 選んで俺が反対するのも
 聞かずに極道を棄てた
       
 その成れの果てが
 
 和菓子屋の主人
  
 背中に背負ってる龍が
 哀れなもんよ」