*** 「・・・それでは、失礼します」 「あぁ」 そう言って男は出て行った。 「はあ~…」 受け取った書類を机に置き、窓の外を見た。 高校、大学と仕事の手伝いをしていたからか大学を卒業した俺には、オヤジはある程度のイスを用意していた。 といっても社会人新人の俺は毎日大量の書類に追われ、いろんな重圧も重なり疲労は倍以上。 正直逃げ出したくなる。 けど・・・ 俺は机に置いてあるパソコンの画面を見た。 そこには1人の女性とフランス語の文字。 「奏・・・・」