連れられてきたのは、姉滝だった。
「お前はよく、ここへ来ていたと聞いた」
政宗の言葉に、私は笑った。
「ばれてたんだ…こっそり来てたつもりだったんだけどな」
ここから来たことが、すべての始まりだったから。
帰るとしたら、ここからじゃないかと思っていたので、暇を見つけてはここまで足をよくのばしていた。
馬から下りると、滝の音を聞きながら、私は続けた。
「いつかは帰るんだって思ってたんだけどさ、なんか…なかなか帰れなくて」
しゃがみこみ、地面に積もった雪を手に取った。
「帰りたい、か?」
聞かれて私は苦笑する。
「そりゃ、ね」
手に取った雪を、ぼとっと落とす。
「でも、わかんない」
吐く息は白い。
「帰り方がわからないからっていうのもあるけど…ここにも、私の居場所が出来たから」
「お前はよく、ここへ来ていたと聞いた」
政宗の言葉に、私は笑った。
「ばれてたんだ…こっそり来てたつもりだったんだけどな」
ここから来たことが、すべての始まりだったから。
帰るとしたら、ここからじゃないかと思っていたので、暇を見つけてはここまで足をよくのばしていた。
馬から下りると、滝の音を聞きながら、私は続けた。
「いつかは帰るんだって思ってたんだけどさ、なんか…なかなか帰れなくて」
しゃがみこみ、地面に積もった雪を手に取った。
「帰りたい、か?」
聞かれて私は苦笑する。
「そりゃ、ね」
手に取った雪を、ぼとっと落とす。
「でも、わかんない」
吐く息は白い。
「帰り方がわからないからっていうのもあるけど…ここにも、私の居場所が出来たから」


