陽のあたる場所で 〜戦国遊戯3〜

ちらほらと見える灯りは、まるで蛍のように見えた。
暗闇に浮かぶその光は、優しく町を包んでいた。

「すご…」

小田原の城下町に、もし活気がもどったなら。
きっと、ここから見える景色に近いものだったんじゃないかと思った。

小さく人が行き交うのが見える。
もうすでに遅い時間だと思われるのに、まだ人が活動していた。

幸姫はしとねを降ろすと、そっと窓に背を向け、体に巻き付けていた布にくるまって横になった。