なぜ奥州の小童が、幸姫のことを知っているのかはわからないが…
最初は一瞬、玲子と間違えているのではないかと思ったが。
そうではどうもなかったようだった。
幸姫の存在を知るのは、こちら側では真田の小倅だけだと思っていたが。
くくっと小さく笑う信長。
まぁよい。
そのような些細なことなど、取るに足らぬことだ。
なんの問題もない。
そう思うと、また、笑みがこみ上げてくる。
俺の天下はもうあと少しで終わる。
が、それは俺の描いた物語の序盤に過ぎん。
そして、そのための駒もそろった。
城下町を見下ろしながら、すぅっと目を細める。
会いたかったぞ?幸姫。
必ずお前は、こちらに来ると思っていたのだ。
――――お前が要なのだ。
俺が、真に天下を取るためには、な。
「くっ…ふふ…ふははははははは!」
暗闇を月明かりが照らす中、信長の笑い声が響き渡った。
最初は一瞬、玲子と間違えているのではないかと思ったが。
そうではどうもなかったようだった。
幸姫の存在を知るのは、こちら側では真田の小倅だけだと思っていたが。
くくっと小さく笑う信長。
まぁよい。
そのような些細なことなど、取るに足らぬことだ。
なんの問題もない。
そう思うと、また、笑みがこみ上げてくる。
俺の天下はもうあと少しで終わる。
が、それは俺の描いた物語の序盤に過ぎん。
そして、そのための駒もそろった。
城下町を見下ろしながら、すぅっと目を細める。
会いたかったぞ?幸姫。
必ずお前は、こちらに来ると思っていたのだ。
――――お前が要なのだ。
俺が、真に天下を取るためには、な。
「くっ…ふふ…ふははははははは!」
暗闇を月明かりが照らす中、信長の笑い声が響き渡った。