(どうしよう・・なんか気まずいな。)

そう思い始める私。

牧も気まずくなってきたみたい。

沈黙の中廊下から誰かが会話している声が聞こえた。

(あ、彩と純だ!)

そう思った私の心と比例するように、

保健室のドアも開き彩と彩の彼氏と純が入ってきた。

『莉子~´`もう大丈夫ー?!
 牧もちゃんと謝ったの!?』

怒りマックスの彩。

心配してくれてるのは嬉しいけど・・


『ちゃんと謝ったってー、
 渡辺さんも、もう大丈夫やって
 ゆーてくれてるし・・笑』

そういいながら口を尖らす牧。

(可愛いな・・、)

心が読まれたかのように、牧が
『渡辺さん何をそんなに俺の事
 見てんの 笑
 恥ずかしいやんか 恥』

『あ。ごめんごめん 笑』

そんなしょうもない会話をしていると

さっきまで口を開かなかった彩の彼氏が、

『じゃ、改めて自己紹介って事で。
 俺は小池正樹(まさき)
 まあ見ての通り彩と付き合ってるんっすよ。

 ちなみにバスケ部ですよ~』


そういうまさきくんはどこから見ても

イケメンで綺麗な顔立ちをしていた。

バスケ部ってことから背もすらっと高く

彩の好みがよくわかる。

次に話し始めたのは牧。

『はい、どうも牧 拓哉です。
 ごぞんじの通り渡辺さんにボール
 ぶつけてもうた男です。笑』

さっきまで怒っていた彩と純も、

もう全然笑っていた。

『クラブは野球部で部長してましたよ~』

『まじで牧の野球はやばいよなあ』

皆が牧の野球を絶賛している中、

わたしだけ口がぽかーん・・

だってさっきあんなに上手にサッカーしてたのに

野球部?!

坊主でもないしロン毛でもないけど

そこそこの長さがある髪の毛は野球部に見えないし。

私的に野球部って坊主で野球一筋です!

っていう男らしさを感じる人だったから

あまりにも牧が違いすぎて驚いた。

でもよくみてみると、

がっちりしている筋肉は制服の上から見ても

分かる気がする。

でも笑ったらクシャっとなる顔が可愛くて

背もそこそこ高い理想的な人な気がした。