「あっ、ヒカリ先輩だよ!」 窓から校庭を眺めていた美空が早く早くと手招きして言った。 「どこどこ!?」 思わず声が高くなる。慌てて席を立ち美空に駆け寄ると 「あそこ、グラウンドに向かってるの先輩達でしょう?」 美空が指差した方向には、同級生と楽しそうに話しながら歩いているジャージ姿の先輩。 「先輩、ジャージも似合ってるね」 美空の言葉に、あたしは「うん」と頷いた。 何を着ても先輩はカッコいい。 モテるはずだよ…。先輩、こんなにもあたしを何度もドキドキさせるぐらいカッコいいんだから。