「茜くんって沖縄まで胡桃を追っかけてきたあの人でしょ?凄いイケメンでビックリしたよ。フェロモン垂れ流しって感じだったし」


「なんだっけ、茜くんのセリフ」


「“俺以上に胡桃を想う奴なんかいねぇんだよ”だよ、リサ」


「キャー!私も言われたい!胡桃愛されてるね」




香織とリサは茜くんの話で盛り上がっている。




うぅっ…

改めて言われると嬉しいような、恥ずかしいような…。





「ちゃんと勝負下着つけてきた?」


「う…うん、一応」




でもまだキスさえしてないのに


いきなりそんな展開になるとは思わないけど。




私、色気ないし。




…天音さんみたいに色気ムンムンだったら


茜くんもその気になるのかな?




あ…


自分で言って傷付いちゃった…。






「あぁ、でも…胡桃が大人の階段を登っちゃうのが寂しい気もするなぁ」


「巣立つ雛鳥を見守る親鳥の心境だよね、香織」




雛?鳥?





「まぁなんにせよ、良かったね胡桃」


「うん!」





ワクワクドキドキしながら1日を過ごし、放課後を迎えた。