「私、嘘つきました」


「うん」


「…茜くんが天音さんと付き合ってると思ったら、悔しくて悲しくて…私…彼氏なんていないのに…」




そう言って泣き出した胡桃は


どうしようもないくらい可愛かった。





「そんな可愛い泣き顔、他の人に見せないで」




被っていた帽子を胡桃に被せると

胡桃は潤んだ目を細めて笑った。




もー…

マジ勘弁。




一挙一動が可愛過ぎんだよ、胡桃は。





「胡桃、何時まで大丈夫?」

「18時までにホテルに帰れば大丈夫だと思います」

「じゃあ、それまで一緒に観光すっか!」




繋いでいた手を離して、ガイドブックを確認しようとすると


背中にトンと胡桃が頭を寄せた。





おおぅっ!?

く…胡桃ちゃん…



俺の色んなものが勃っ(自粛)。





「胡桃?」

「好きです!!私、茜くんが好きです!!大好きなんです」




それはもちろん、お兄様とは違う“好き”だよね?





「胡桃?」

「今、こっち見ないで下さい」




えー…



照れた胡桃、めっちゃ見たいんだけどなぁ〜。