「こっ…こういうのはどうだ?胡桃とお前、俺とあの子の4人で出掛けるとか」


「えー…。俺、胡桃と2人がいいっス」



本当にウンザリとした表情をしてやると


先輩はガックリと肩を落とした。




「先輩って見た目によらずウブなんスね」


「うるせー」




まぁ何だかんだで

この人には世話になってるし


胡桃と仲良くなれたのも先輩のおかげでもあるし



一肌脱いでやるか。




「じゃあひとつお願いがあるんですけど」


「聞ける範囲なら聞いてやる」


「一緒に胡桃の修学旅行先に行きませんか?」


「は?修学旅行先!?何処だよ」


「沖縄」



先輩はあんぐりと口を開く。




「お前…ある意味ストーカーだぞ?」

「だって俺の胡桃がぁぁ!」



バカなクソガキ共に狙われる―!


ストーカーと言われようと、絶対にそれを阻止するんだ!




「天音も誘いますし、2人になるチャンス作りますから」


「まぁ…悪くはねぇ条件だな」


「じゃあ決定で。日にちとか詳しい事分かったら教えます」


「おう」




1人で沖縄はつまんねぇし

もし、胡桃やお兄様に見つかったら言い繕えねぇけど


先輩や天音がいたら

バカンスに来たって言い訳も出来るし…




完璧だ!



さすが、俺。