「あかっ…あかねくん…」

「ん?」

「気付いてたんですか?」

「もちろん。愛があるからね」




でもその演技力、女優並だよとからかってやれば

タコになったのかってくらい顔を真っ赤にする胡桃。




俺と離れるため、
俺を忘れるため、
悲しみや憎しみから解放されるために考えたであろう彼女の想いが

馬鹿げてるけど、愛しい。




まぁ、それに気付けたのがなっちゃんの助言でもあるのがくやしいけど。



…ってことは、
あのチビ、胡桃が演技してたの知ってたってことか?


覚えてろよ、ロリコンクソメルヘン野郎。






「…茜くん、こんな変な事してた私を嫌いにならないんですか?」


「俺は胡桃なら何でもいいの!…あ、でも、その化粧はやめて欲しいかも」





ありのままの胡桃の方が
大好きだよ。



そう言うと、
胡桃は幸せそうな顔で笑って

また、泣いた。