純愛ワルツ

何処に行ったんだろう、2人共。



てか、茜くん…

走り去る天音さんを迷わず追っていったなぁ。




そんなに大切なのかな…。






「…泣くなよ。パンダみたいな目になるぞ」


「パンダ…ね。つり目な私には丁度いいんじゃない?」




駅前まで走って行くと、ロータリーのベンチの前に

茜くんと天音さんが立っていた。




街路樹に隠れて私が見えないのか2人は気付かない。





「戻ろうぜ。お前の言動でみんなの空気悪くなってるはずだから、謝らねぇと」


「…私は帰る。胡桃ちゃんだって私がいたらいい気はしないし、いいのよ。私なんかいない方が」




その言葉にドキッとした。






「今日なんで先輩が俺達も誘ったか分かるか?」


「私と2人じゃつまらないからでしょ」


「違う。2人だとテンパって上手くお前をエスコート出来ねぇからだ。…あの人悪気はねぇんだ、照れてるだけなんだよ」




仲良くしてやんな、と


茜くんは天音さんの髪を撫でた。




……どうして…。





「…茜さぁ、やっぱり胡桃ちゃんとは似合わないよ。…私にしなさいよ」


「お前との方が似合わねぇよ」


「そんな事ないわよ。私は誰より茜を分かってる。茜も分かってくれてる。…だから絶対上手くいくわ」




そう言って茜くんに顔を近付ける天音さんにすかさず駆け寄り、腕を引っ張った。




「…ダメです。茜くんは私のです。天音さん、やめて下さい…」


「胡桃?」




茜くんもだよ。


どうして優しくするの?

どうして拒まないの?



どうしてそんなにも天音さんを大切にするの?





「どうしてですか。茜くんの彼女は私ですよね?天音さんじゃないですよね?」


「当たり前だろ。何言ってんだよ、胡桃は」



「…だって…だって!!茜くん、天音さんを大切にしてる!し過ぎてる!…本当は天音さんの事が好きなんじゃないんですか!?」




止まらなくなって、つい本音が出てしまった。