ひゅっ。 風を切る音と共に、 テラスが短剣を手首の袖から出して、 無人の竜へと投げた。 短剣は、 竜の額にある、 紫色の水晶に命中した。 水晶に亀裂が入って、 バリンと耳障りな音をたてて砕けた。 その瞬間、その竜の瞳が、 光のない黒から、 明るいオレンジ色に変わった。 竜は、その場から一瞬で消えた。 気がつくと、 遥か遠くを飛んでいた。 そしてすぐに見えなくなった。