「え・・・っと、どちら様?」
玖澪羽は目の前の男性に訊いた。
「俺か?
俺は、騎士の
テラス・レオ・ステファニー。」
騎士?西洋?
つか、フランスとかにこんな草原あるかっ!!
てーか、騎士とかって
もうそういう文化は滅んでるだろ。
玖澪羽の頭の中で疑問符が踊っていた。
「お前の名は?」
「ぇ?あ、玖澪羽。」
「クレハ?変な名前してんな。」
カチン。
気に入っている名前を
変呼ばわりされて
玖澪羽は多少ムカついたが、
初対面の人なのでなんとかこらえた。
「まあ、自己紹介はこの位にして、行くか。」
そこで、テラスと名乗った騎士は
小さな笛みたいな物を取り出して
それを吹いた。
甲高い、心地いい音だった。


