少女は、
いかにも嫌そうな顔で言い放った。

「い・や・だ!!」

「いいじゃーん!いーこーおー!」

「そうだよ!あの藍那<アイナ>様が、
 すぐそこにいるんだよー?!」

藍那とは今、
女子学生の間で流行りに流行っている、
人気アイドル。

ちなみに、少女
【三上 玖澪羽<ミカミ クレハ>】は大嫌い。

「じゃあ、2人で行ってきなよー。」

「えぇー?!」

「クレハは方向音痴だからだめ!」

玖澪羽の提案は、
友人Aによって一刀両断された。

「んー。じゃあ、そこの
ベンチに座って待ってる。」

玖澪羽は近くにあった、
ベンチを指差していった。

「・・・・。わかった。
絶対にベンチから動かないでね!」

「うん。いってら。」

2人はそういって、藍那がいる方へと
ダッシュで走っていった。






   Ⅰ 目覚める少女