目の横や頬の涙の跡を拭ったあと、

俺は自分の体の上に
乗っかっているように寝ている
玖零羽を起こすこともなく
さっきの寝転んだままの状態で
天井を見上げていた。

ぼーっとしていると、
玖零羽の体温が
ほのかに腹部あたりに感じて
そのほのかな温かさが
とても心地良かった。

そしてその温かさが
まただんだんと
テラスの眠気を誘ってゆく。

「……。」

落ちてくる瞼に逆らおうとせず、
眠気に身をゆだね、
そのまま二度寝という名の眠りに落ちた。


夢はたぶん見なかった。