橙色の竜は その背に紅い騎士を乗せて 暗闇を駆けて行く。 地を駆ける音は少しも聴こえない。 ただ、身体が風を斬る音が 耳元で微かに響くだけ。 アンジェリーナはその風を感じながら、 ほんの少しだけ泣いた。 だけど、次の瞬間には 完全に消え去って くつくつと嘲笑った。 闇に聞こえるのは、 低い声の嘲い声だけ。