ミグレットはアンジェリーナ以外の、
それも得たいの知れないものに
自分の背に乗られるのは
とても虫酸が走り、
自分のプライドが著しく傷つけられた。

だが、あれもこれも
全てはアンジェリーナを守るため。

そのためには
今はこれしかなかった。
そう、救う方法が見つけ出せない今は。


アンジェリーナは
ミグレットに竜専用の手綱を着け、
その背に跨がった。

「さあ、行け。
 この者が憎む、
 正義の騎士団のもとへ。」

ミグレットは驚愕した。
まさか、帝国に行くつもりなのかと。

だが、ミグレットは
言葉を発する手段など知る訳がなく、

驚愕した次の瞬間に
手綱の操作によって竜小屋を飛び出していた。