だけど、死が訪れることはなかった。 得体のしれないものは テラスを包んだまま まったく動こうとしなかった。 得体のしれないものから テラスに伝わる熱は、 テラスにとって、 何処かで感じた、 とても懐かしく優しいものだった。 あの生温かい息遣いは、 今や規則正しく静かに呼吸している。 自分を包む腕に手を伸ばした。 反応らしきものは帰ってこなかった。