『殺せ。』 満足した、苛立った声が 私の背中を蹴飛ばすように押した。 両の手に力を込めて、 貴女の胸の中心に突き刺した。 悲鳴の代わりに血を吐きだしながら、 貴女は最後に笑った。 それが嘲笑っただけなのか、 いつものあの優しい笑顔だったのかは、 今はもう思い出せない。 後に残ったのは、 無表情に目を開いたまま 息絶えた貴女だけ。 ほんの一瞬だけ、 意識が正常に戻って、 貴女が誰だか思い出す。