敵兵たちがゆっくりと 撤退し始めた。 それを力なく見つめていた。 心臓の音が もう止まりそうなほどに ゆっくり、力なく鼓動をうっていた。 どくん、 どく、ん ど、 くん …死ぬんだな。 そう思った。 なんとも思わなかった。 感情なんて存在しなかった。 ただ、最後にフィオナの あの優しい笑顔が見たかった。 不意に、霞む視界の先に 紅い体で、四足で直立する、 何かが見えた。