騎士はキミに恋をする


敵兵たちがゆっくりと
撤退し始めた。

それを力なく見つめていた。

心臓の音が
もう止まりそうなほどに
ゆっくり、力なく鼓動をうっていた。


どくん、

どく、ん

ど、  くん


…死ぬんだな。
そう思った。

なんとも思わなかった。
感情なんて存在しなかった。

ただ、最後にフィオナの
あの優しい笑顔が見たかった。


不意に、霞む視界の先に
紅い体で、四足で直立する、
何かが見えた。