騎士はキミに恋をする


「あはっ」

フィオナはそう笑った。

「…フィオナ?」

茫然と呟く私を
フィオナは嘲笑った。

「あはははっ、その顔、最ッ高!
 そそられちゃうよ。」

狂ったように笑うフィオナを
私はただ見つめることしかできなかった。

周りにいた敵兵は、
私だけを下卑た目で見ていた。

「フィオナ?」

もう一度名前を小さく呟いた私に向かって、
フィオナは信じたくなかった言葉を
その歪みきった唇から紡いだ。

「あたしィ、スパイだったの」

肩に突き刺さったままの
剣が抜かれ、

私に向かって
フィオナが勢いよく振り下ろした。

我に帰った私はそれを剣で受け止めた。
ギイインと、嫌な音が響き渡る。

「何よぅ、止めないでよ。
 あたし、貴女が
 
 苦しむところを見たいの」

その声が合図とでも言うように、
私の背中から胸にかけて、
経験したことのない激痛が走った。