血の量は多くなったり、
少なくなったりと様々だったが、
途切れることはなかった。
私はユートピアが教えてくれた、
「他に心配すべき存在」のことを
今更ながらに心配していた。
胸騒ぎがする。
ユートピアの
あのぼろぼろになった羽を
見たときのような
消失感と絶望感が思考に纏わりつく。
走りながら、
体中の血が段々と
乾いてゆくのを感じながら、
広い城の中を
血塗れの寝間着姿で駆け抜ける。
途中、メイドや兵士たちに驚かれて、
「何処か怪我でもしたのか」と
心配されたが
私は、ユートピアの血だと
口早に言い残して
血の跡を追っていった。
そうして、
とある部屋の中に血痕が
入っていくのを見て、
私は足を緩めた。


