騎士はキミに恋をする


一体、何時までそうしていただろう?

1時間?
30分?
はたまた1秒?

まあ、どうでもいい。

とにかく私がこうして
ユートピアの顔に体を預けて
呆けていたことには
何ら変わりないのだから。

そこでふと、自分の片手に
ユートピアの体から流れ出る
生温かでぬるぬるとした血が触れ、
私はビクッと体を竦ませた。

「ユートピア…。」

助けを求めるように、
この恐怖から救われたいと願うがために、

私はひ弱に震える声で
ユートピアの名前を呼んで、
その顔に自分の顔を埋めようとした。

瞬間、ユートピアの虚空を見つめていた
濁ったようなくすんだ瞳が
私のほうに向いた。

そして、その瞳に光が宿った。
始めて見たときのような
夕焼けと鮮やかな鮮血が混じった、
赤い赤い綺麗な瞳。

その瞳が私に向いた後、
ユートピアはまるで私を責めるように、
質問するように低く唸った。

ぐるる、とその声は、
あからさまな怒りを孕んでいた。