ユートピアの怪我は
見ていられない程に酷いものだった。
ユートピアの体を
所狭しと規則正しく覆っていた
堅く、綺麗な色をしていた鱗は所々剥がれ、
その剥がれた部分や鱗と鱗の隙間からは
どくどくと血が滲みだし、
小さな川となって、
地面に大小様々の赤い血溜まりを
いくつもいくつも作っていた。
頭から映えていた2本の角も、
左の方が半ばからぽっきりと折れていた。
口を閉じても
はみ出してしまっていた程に
長く長く、刃物ように鋭かった牙は
角と同じように何本かが
無残に砕け、折れ、
口内から湧水のようにだらだらと
唾液とともに血を流していた。
前は赤く煌々としていた大きな瞳も、
今は疲労や、傷の痛みなどから
まるで霞んだような汚い赤に変色し、
何処か遠く遠くの遥か彼方を
見つめるようにボヤーっとしていた。
私はその傷の酷さに怯みながら
竦み、がくがくと震える脚を
叱咤しながら、
私はユートピアに近寄った。
近づき、城の明かりで
更にくすんだように見える赤い瞳を
その何十分の一しかない
小さな瞳で近くで見つめた後、
私はあるものを見て、絶句した。


