今回は、城の東側に位置している、
大きなベランダの一角だった。
手摺りの近くに設置された、
1つの四角い、黒光りしたテーブルと、
同じ色をした2つの椅子。
そしてその右側のほうにその人はいた。
長いブロンドの前髪で、
顔はあんまり見えないが、
それなりの美形だと思う。
すらっとした長身、長い手足、高い鼻。
どれも日本人なら
うらやましがる体系だなと思った。
私はその人のもとに行き、
淡い水色のドレスの裾をつまんで、
軽く挨拶をした。
「こんにちわ。伯爵。」
「こんにちわ。姫君。」
伯爵は私に顔を向けて笑った。
やっぱり、予想した通りの美形。
垂れ目の瞳に、微笑を絶やさない口元。
「優男」という言葉が
とても似合う人だと思った。


