意識が、睡魔によって、 完全に闇の中に引き込まれる前に、 私は一つだけ思い出していた。 この仄かな温かさは、 この世界に来てから、 ふと、夢から目を覚ました時に いつも私を包んでいた物と似ている。 真夜中の霞んだ視界の先には、 彼がいた。 いつもは不安で そのまま寝付けなかったのに、 彼がいると、 安心してまた眠ることができた。 私を護るように、 その両腕で包みこんで、 幸せそうな顔で寝ていて。 私はそれを見ると、 優しい気持ちになって…。 だから、 そこで完全に意識は闇に埋もれた。