そして、湯気やボディソープで
全身の線しか見えなかった、
アンジェリーナの裸体が、
桶から流れ落ちるお湯によって
取り払われ、見えるようになった。
「…っ!」
玖零羽は息を飲んだ。
彼女の体が、
たくさんの切り傷やあおたんで
覆われていたからだった。
小さくても、
深く切ったからか、
跡が残ってしまっていたり、
まだ、かさぶたのものだったり、
血が滲んでいたりしていた。
あおたんとなると、
青いものから、緑や、
膿がたまっているのか
気味の悪い黄色のものまであった。
そして、そんな傷の中でも、
一番目を引いたのが、
背中にある大きな切り傷の後だった。
右の肩から、斜めに落ちて行き、
左の腰の部分まで長々と続いていた。
もともとの白い肌とは異なり、
傷痕は、赤褐色の色をしていた。


