騎士はキミに恋をする


「え、でも、」

困ったような顔で、
女性はなお反論しようとする。

「いいんですって。」

微笑んで言う。

「ところで貴女が、
 護衛さん、ですか?」

恐る恐る聞いてみる。

「はい。今回、貴方様の護衛の任に
 就かさせて頂くことになりました。
 準1級騎士の
 アンジェリーナ・リセルです。」

片膝をついて、
玖零羽に頭を垂れながら
自己紹介するアンジェリーナ。

「わっ、あ、頭を上げてください。
 私、そんな身分じゃないです!」

慌てて言う。
アンジェリーナは頭をあげたが、
片膝は着いたままの状態で首をかしげた。

「え、でも、貴女様は、
 テラスさんの恋人なのでは?」

一瞬の沈黙。

「………はっ??」

そういや、さっき、
あの中年貴族を追い払う時も
そんなことを言っていたような…。

と、いうか、恋人って…?

私の脳内はまるで
やかんのような甲高い音を立てて、
破裂状態になっていた。