玖零羽が眠っている間、
城の全ての部屋が明りを消し、
皆が眠りに着いたころ、

テラスは、玖零羽の
ベットの中に潜り込んだ。

もちろん、
半分寝ぼけて。

寒いベットの外から
暖かいベットの中に潜り込んだテラスは、
ベットの中にいる、
自分より小さくて、
温かいものを自分のもとに抱き寄せた。

もちろん、
半分寝ぼけて。

自分より小さくて、温かいものは、
苦しいとばかりに呻き声をあげ、
逃げるように身をよじるが、
テラスは無視してもっと強く抱きしめた。

もちろん、
半分寝ぼけて。

腕の中のそれが大人しくなって、
テラスが眠りに落ちかけた時、
部屋に何かが侵入した。

黒装束で、
手には得物を持って
窓の鍵を開けて、
音もなく部屋に入ってきた。

テラスは、
音などではなく、
気配で察していた。

そして閉じかけていた
テラスの意識が覚醒していく。