桜の彼と同じクラスだったことに、入学式が始まってすぐに気づいた。彼とは、席が隣だった。教室でも、彼は私の後ろの席だった。

入学してから、一週間がたった今、彼は私を"友達"という。


彼の名前は、"瀧上修斗"


『ねぇ、さゆちゃん。』


そして、私の隣に座る人が

「…なに?」



『消しゴム貸して♪』


"村上遥斗" 私と同じ髪の色の、瀧上くんの親友。


「…そろそろ、自分のを持ってきて欲しいんだけど。」


『はいはい。明日ね。』


明日ね、と言い続けて一週間。彼はずっと私の筆記用具を使っている。