それは
突然のことだった。
「嘘でしょう?」
母の顔は青ざめていた。

「嘘じゃない。今日、父さんの会社は倒産しましたー!!」

父は急に叫んだ。
ダジャレのつもりか?

「笑えないから」

「やっぱり?」


私の脳裏には、よくあるホームレスの姿が映った。

「生活、どうなるんだろう…受験もあるのに」

「大丈夫だ。なんとかする」

父はそう言ったけど、不安を拭い去ることはできなかった。