狼執事とお嬢様♡~ある日の狼~





俺の母親は、俺が生まれてすぐに俺を施設へと預けた。




母親はまだ若く、父親も若かった。





お金を稼ぐ力も無く、俺を捨てるしかなかったんだ。








…だから俺は、“家族”を知らない。








俺の両親は、少しでも俺を愛してくれていただろうか?



お嬢様がうらやましかった。





大事に、大切に想われているお嬢様が。









10歳になった俺は、そこそこ良い家に引き取られることになった。



20代後半の女と、30くらいの男。


女は俺を気に入った。




中身ではなく、顔を。






俺は拒む権利も無くその家に引き取られた。