ナースステーションに着くと、皆が驚いた様な顔をしていた。

 その顔を見回すと美沙の姿があった。

「いっ、イトちゃん!」

 あまりにも全速力で走ったせいか、うまく喋れない。

 おまけに酸素が取り込めないので、ぜいぜいという音と共にヒュッという奇妙な音が口から漏れる。
 
「ちょっ!! 五十嵐さん!!あなた走ったの!?」

「ハァ、ハァ。あのね、あのっ……ッ」


 呼吸が、出来ない――