何なのだろうと思い、じっと見つめていると急に頭痛がした。

「いっ、いた……っ。痛い――」

 こめかみの辺りを、鈍器で殴られているかのような重みのある痛み。

 そして、頭の中にちらばっていた記憶の欠片が交わり、昨日のがよみがえって来た――



 全て思い出したとき、頭痛はすっかり治まっていた。


「そうだ、私、あれから――」

 急いでベッドを飛び降り、バッグの中に入っていた紙を出し、洗面所に行き、湿らせる。

 そして何も見えなくなるように、紙で鏡を覆い隠した。

 カーテンを思い切り開け、窓をピシャリと閉める。