早足のつもりだったが、看護師さんに「廊下は走っちゃいけませんよ」と怒られてしまった。 部屋の前に着くと、お昼に出て来た時と同じように扉は開いたままだった。 「個室か。寂しいだろ、夜」 「ぶっちゃけね」 部屋の中は真っ暗なので、入り口のすぐ横にあるスイッチを入れ、電機をつける。 途端に部屋が明るくなり、窓に自分と秋人の姿が反射する。 「看護師さん、一回来てくれたみたい」 窓の方へ歩いていき、カーテンを閉める。 ――左側にある鏡は見ないようにして。