「イトちゃん?」 「い、五十嵐さん……ちょっと先生呼んでくるから待ってて!!」 言うや否や、美沙は病院内だと言うのに扉を勢いよく開けて走り去ってしまった。 「へ?」 訳が分からず、とりあえず上体を起こす。 顔色が優れないという事だったのだろうか? 優香自身は、気分がスッキリしているというのに。 ――ふと前を見ると、鏡が目に入った。