キミが居た病院


「イタタ……」

 気が付けばそこは真っ白な世界ではなく、最近頻繁に見る、例の夢の中だった。

 やはり地面は泥のような物でグチャグチャしている。

 母親も妹も見当たらず、頭痛だけが相変わらず優香の傍にいた。

「これって黒い物体がくるって事……だよね」

 歩こうとしても泥に足が吸い込まれるような感覚がして、動けそうにない。

 このまま、あの黒い物体がやってくるのを待たなくてはいけないのだ。

「頭もすっごい痛いし……パパ助けに来てくれるかな」