「ヒッ……」 声にならない声をあげ、急いでカーテンを閉めた。 『関東地方は台風が接近していますので、なるべくお出かけしないようにして下さいね』 気象予報士のお姉さんの声は、優香の耳には届いていなかった。 いや、届いていたとしても頭に入らないだろう。 「あ……あぁ……っ。あれ……黒い……」 優香の頭の中は、黒い物体のことしかなかったのだから。 段々近付いてきていたあの人物は、紛れも無く黒い物体だった。 「でも、でも、頭痛くない……」