登録してある文字を見たとき、父親の忠告が頭を駆け巡る。

『優香の前に現れた優しい王子様――あの子を信用してはいけないよ』


 確かに少し怪しい所はあったが、彼の誠実さに引き込まれ信用していたのだった。

 なのに信用してはならないという父親の言葉に、優香はどうしたらいいか分からなかった。


 ――ブーッ……


 考えているうちに電話が切れた。

 すると一分も経たない内にまた携帯が鳴る――が、今度はメールだった。