「ホント!?よかった♪
ママがね、毎年私の誕生日にはたくさんごちそう作ってくれるの!そんで夜には必ず花火やるんだ!!」

「へぇ〜」


姫夏はワクワクした様子で
話を続ける。





「毎年ママと二人きりだったけど…今年は舜と洋司もいるし♪絶対何倍も楽しいよっ」


「・・・・」



姫夏は子供のように
無邪気に笑った。







なんだか

普段のアホ丸出しの姫夏は

実は本当の姫夏ではなくて、


今、俺の横にいる姫夏が

本当の姫夏のように思えた。



強がっているけど

本当は親父がいなくて寂しい

そんな感情が伝わってきた。


こんな姫夏を見るのは
初めてだった・・・





俺はゆっくり口を開く。



「‥あさって・・・」

「ん??」




「あさって楽しみだな。」





俺は無意識のうちに

そんなことを言っていた。

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