「…………」


「だから……谷口先輩が、私の王子様になってください」




私は恥ずかしくて俯いた。


谷口先輩が一歩一歩近付いて来るのがわかった。



「……梨衣、顔上げて」

頭上から降ってきた、谷口先輩の優しい声。




「え?……んっ」


顔を上げた瞬間……私の唇に、谷口先輩の柔らかい唇が触れた。




唇がゆっくり離れる。