「あの正統派な人柄!」

「自分の顔より人の空腹を心配するまでの
優しさ!」

「叫び声だけで誰の声か当てられるほどの耳のよさ!」

「そして何といっても主役!!」


だから、それはキャラクターであって、
実在しないんだってば!!

しかも人じゃないし!!


「でもさー顔な欠けた人と付き合える?」


「「・・・・」」


暫くの沈黙の後


「「無理よねー」」

二人の声が綺麗にハモった。


・・・まぁ当然の結果だよね。

ってか私まで洗脳されてない?


何だか頭痛くなってきた。

ズキズキと痛むこめかみを指で抑えながらも
まだ続く話につい聞いてしまう。


「やっぱりさ、一番似合うのは」

「「おじさん、だよね」」


「あのすべてを包み込む優しさ!!」

「顔かけないし!」

「変な詩うたわないし!」

「食べ物吹かないし!」


どうやら一番いい結果に行きついたらしい。


三人が納得したところで

キーンコーンカーンコーン

昼休みを終えるチャイムが鳴り響いた。


「まぁでもそんな人現実にいないけどね~」

「うんうん、テレビの話だし~」

「そうだね」

・・・・

だったら・・だったら


「だったらそんな話すんな!!!」



私の大きな怒鳴り声が教室中に響き渡った。



どうやらこの人達のせいで私の恋も当分
出来ないような気がした。





終わり。