真っ赤なスーツに、教師には不向きなバッチリメイク


まつげが束になりバッサバサに揺れる



「ちょっとあんた無視しないでよ!」


「お、おい!お前声でかい!」



いくらまだ体育館が騒がしいとは言え、さすがに目立つ



「…田崎先生、知り合いですか?」


キョトンとして尋ねる福井先生


確かに、こりゃビックリだわな



「知り合いと言うか…」


「んもう!ちゃんと紹介しなさいよ!初めまして、高田 京子と申します!」



…こいつ、語尾にハート飛んでやがる


昔はごっつい男くさいヤツだったのに…



「あ…僕は福井と言います。よろしくお願いしますね」


「はぁ~い♪」



…女ってこえぇー…



「ちょっと!まさかあんたアタシの正体ばらしてないでしょーね?」


ヒソヒソとつぶやく声が、昔の声と変わらないのは気のせいか?




「…話してねーよ」


つか、オレだってコイツが来るの今思い出したし



「お二人は仲がいいんですね~」


天然っぷり炸裂の福井先生



さっそく京子のツボにヒットしたらしい



本当コイツもわかんねーヤツだなぁ



「止めてくださいよぉ~!こんなヘタレ男なんか興味ないですぅ~!」


「お、お前!ヘタレって!!」




はぁ



これからこんな日々が続くのかと思うと、ため息が出る




天然な福井先生


わがままな京子




波乱な1年が幕を開けた