「すまない、今日は」

「弘人くんは悪くないよ。私こそ秘密にしててごめんね?」

「芽衣は悪くない。気付いてやれなかった、俺が悪い。守ってやれなくてすまん」


何時もより弱々しい弘人くんを、私は後ろから思いっきり抱き締めた。

「守ってくれたよ、弘人くんは。それに俺の芽衣って言ってくれて、私嬉しかったな」

「恥ずかしいから、蒸し返すなっ」

「だって嬉しかったんだもん。普段全然あんなこと言ってくれないし」

「うるせぇ」

私は弘人くんの背中に乗りながら、クスクス笑っていた。


弘人くんは後ろからでも分かるくらい、耳を真っ赤にしてるのだ。

やっぱり“可愛い”と思った私である。