この3年間、咲良に手紙を出してはいたが……。 その手紙の全て、俺の名前は1つも無い。 “誕生日おめでとう” たった一言、そう添えるだけ。 ある意味……。 ストーカーのように思われていたっておかしくない。 それでも……。 「――― 湊人に“おめでとう”って直接言われたい」 咲良のあの、照れたようにした顔が忘れられない―――。 だからこそ。 今年で最後だから、俺は絶対に―――。