「ほら、愛子。行くよっ」

「あっ、待って、きぃちゃん、これも持って行く」



お兄ちゃんの意識が戻った事を知った愛子は、前日から『これも見せなきゃ』『あの話ししなきゃ』って、それはもう凄くはしゃいでいた。

物心ついた時には父親しか居なかったんだから、仕方ないよね。



私は玄関を先に出て、ドアを開けたままの状態で愛子が来るのを待っていた。



それにしても、今日はなんだか朝から体調良くないんだよなぁ。

息苦しいような吐き気のようなスッキリしないのと、手の指先が痺れを感じていて、手をグーパーグーパーしていると、やっと愛子が来た。