この晴れ渡る青空の下で

「あのさ、俺」

コンコン

大地くんのセリフをノックの音が遮る。



「はーい」

看護師さんだと思って返事をしたんだけどドアが開かないので、ちょっと不思議に思いながらもドアを開けると、40代前半位の色黒でカジュアルな服装の男性が2人居た。

その2人は顔を見合わせてから訊いた。



「あの、こちら日高大地の病室ですよね?」

「はい、そうです……あ、どうぞ」

今までお見舞いのお客さんが来なかったので、私もちょっと驚いたけど、お客さんの方がもっと驚いたらしく、私が中へ導いてもおずおずと入って来た。



「きぃさん? 誰?」

ベッドからは入口が見えない為、中々現れない客に痺れ切らせたように大地くんが言った。

それとほぼ同時にお客さんの姿が見えて、大地くんは一瞬驚いたけど、すぐ今まで見た事ないような冷たい表情に変わった。